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help リーダーに追加 RSS 北朝鮮の人道状況に関する国連の勧告

<<   作成日時 : 2006/10/22 23:56   >>

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 新聞報道にもありましたが、国連総会第三委員会で10月20日、北朝鮮の人権状況についての討論がありました。
 Vivit Muntarbhorn国連特別報告者はまず、食糧と生存に対する権利について指摘しました。それによれば、90年代半ばから自然災害や政府の政策の失敗により食糧不足が深刻化し、近年では国際的な人道援助に頼ってきたが、2005年以降援助を制限するようになってきた。2006年にミサイル実験や核実験を行ってからは、人道援助提供者が援助の継続を止めているため、同国の食糧事情にさらに悪影響をもたらしている、とのことです。
 報告者は、市民の安全、司法の独立の欠如、政治犯を含む監獄の状況(拷問や非人道的処遇)、外国人の拉致、移動、表現、信教の自由や参政権の制限、など数々の深刻な問題を掲げています。
 報告者は、結論として、ミサイル・核実験後に人道状況は悪化しているとして、北朝鮮政府に対してこれらの人権状況の改善を強く求めるとともに、人道機関は同国に残り、食糧配布を監視し、食糧安全保障を担保するための持続可能な農業支援を行うべきであると述べました。(以上、国連総会プレスリリースGA/SHC/3859より。)

 ここから私たちが考えなければならないことは何でしょうか。さらなる核兵器開発や軍事化はこれら北朝鮮の人々の状況を悪化させるだけであり、私たちは改めて、北朝鮮政府に対して核実験および核開発を止めて六者協議など対話の場に復帰することを求めなくてはなりません。そして、北朝鮮政府に対して「先軍政治」を改め、持続可能な農業等の発展ができるような民生政策の充実と民主化を促していかなければなりません。
 しかし問題はその方法です。Muntarbhorn特別報告者は、9月15日付の報告書における勧告で、北朝鮮が自国の「安全」を強く懸念している以上、国際社会が北朝鮮に人権状況を改善させるための取り組みは、人権状況を改善すれば経済協力や他の開発協力を行うといったことをセットにした「包括的なアプローチ」をとるべきだと提唱しています。この下に、同報告書と勧告を抜き出しました。
 「悪者だから懲らしめろ」というような懲罰感情が先行して、何が何でも封じ込めるような政策をとるならば、逆効果でしょう。同国を「密封」してしまうかのような極端な制裁は、人道活動の余地もなくしてしまうし、同国が正当な経済活動の中で改革路線をとっていく芽を摘み、過激路線と暴発を誘発してしまうのではないでしょうか。
 かくいう私も、対話・関与路線をとれば必ず北朝鮮が改革の方向へ向かうのかどうか、正直に言って確信はありません。分かりません。しかし、これまでの歴史的背景および経過、そして目の前にある「核兵器開発」という重大な脅威を目の前にして、「対話を拒み実力での体制転覆も辞さない圧力路線」と「対話を継続し自主的な核の放棄と改革を求める路線」のどちらをとるのがよりよいのか、という問いを立てたときに、私は前者の方が明らかに危険でリスクが高く、選択すべきは後者であろうと考えます。そのときの考える基準は、「金正日を許せるか」という今いっときの感情ではなく、「朝鮮半島、日本、そしてこの東北アジア地域に住む人間にとって必要なことは何か」という冷静な思考に基づくものでなくてはならないと思います。

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A/61/349
(国連総会、2006年9月15日)
Vivit Muntarbhorn特別報告者によるDPRK(北朝鮮)の人権状況に関する報告書

「・・・2006年半ばにおいて、DPRKによるミサイル実験およびこれに対する世界的な反対によって状況はさらに厳しくなった。これによって同国宛のさまざまな人道支援の提供者が、支援を再検討するようになった。同国における大規模な洪水が国民に深刻な影響を与えている。同時に、DPRK国民に難民としての保護を与えていたいくつかの国々が、寛大な政策を狭めつつあり、この地域における難民保護状況を悪化させている。」

勧告62
国際社会への勧告

●特別報告者のこれまでの諸勧告を支持すること。
●必要に応じて食糧支援を継続すること。種類の異なる支援が相互に補完し合い、食糧を必要とする集団に届くことを確保し、適切な監視を行うこと。
●難民保護の原則を尊重し、これに反する制度や行動を排すこと。国際社会で負担を共有し、難民流出の原因に対処すること。
●監獄制度の改革と法の支配の遵守のために同国を支援すること。
●同国の「安全」への懸念にバランスのとれた形で対処して、人権の取り組みを安全の保証や経済および他の開発協力と結びつけるなど、人権に向けて包括的なアプローチをとること。

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