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zoom RSS 戦争は意外と簡単に起きてしまうかもしれないから(朝鮮半島情勢について考えること)

<<   作成日時 : 2017/05/15 14:57   >>

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 先日から自分のFacebookTwitterのプロフィール画像に「戦争反対」という文字を入れています。何でいまどきと思われるかもしれません。しかし、戦争というものは意外と簡単に起きてしまうかもしれません。現在の朝鮮半島情勢をみるにつけ、私は、そのような思いを強くしています。
 約一カ月前、米軍が朝鮮半島に向けて空母を展開した頃、朝鮮半島での戦争の脅威は最大限に高まったと思います。北朝鮮によるさらなる核・ミサイル実験が米国による先制的な軍事行動を呼び、それが戦争への連鎖に発展するということが現実味を帯びたシナリオとしてあったと思います。
 現在は、米国が一定の条件下では対話がありうることを公言し、米朝の民間レベルでの接触がはかられ、韓国では北朝鮮との対話を重視する文在寅大統領が選出されたことによって、その緊張はいったんは和らいでいるかに見えます。昨日の北朝鮮によるミサイル実験も、むしろ対話のためのカードの提示というふうにも見受けられます。ここから対話と交渉が進み、平和的な合意につながることを期待したいと思います。
 しかしながら、米朝双方が極度の警戒態勢で瀬戸際外交を展開していることに変わりはありません。事態が一変し、情勢が転げ落ちるように悪化していく可能性も常にあるとみておくべきだと思います。

 そのような観点から、朝鮮半島情勢について4月30日にTwitterに投稿した文章を以下に再掲します。

画像


 安保法制に基づき、米艦防護の初の命令が自衛隊に対して出されたと報道されている※。これは「米軍等の部隊の武器等防護」として新設された任務。手続きとしては「米軍等から要請があった場合、防衛相が必要と認めるときに限る」とされているので、米側からの要請があったということか。

 米艦防護における武器使用権限は「事態に応じ合理的に必要とされる限度で」とされており、また危害許容要件は「正当防衛・緊急避難」とされている。「事態に応じ合理的に必要とされる」程度とはどのように判断され、担保されるのか。やみくもに戦闘になだれ込むことはないか。

 安保法制の下で、米艦防護と同様に「平時」においてできるようになったこととして、米軍に対する物品役務の提供(の拡充)がある。自衛隊と共に「弾道ミサイル等を破壊する措置をとるため必要な行動」を同じ現場で行っている米軍に対して、「弾薬」を提供することもできる、ということのようだ。

 事態がさらに進むと「重要影響事態」の認定もありうるか。「そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態」。例えば米軍が軍事攻撃を起こして朝鮮半島で交戦状態となれば、これか。認定には「原則事前の国会承認」が必要。

 重要影響事態となれば、米軍の後方支援、捜索救助、船舶検査、その他「必要な措置」を自衛隊が提供できることとなる。「対応措置の実施は、武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない」とされているが、その担保は「現に戦闘が行われている現場では活動しない」ということだけ。

 さらに「(我が国に対する)武力攻撃事態には至っていないが、事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態」と認定されれば、「国民の安全の確保に関する法律」の適用となる(いわゆる有事法制)。さらにそうした事態において公共施設を米軍や自衛隊に使用させる「特定公共施設利用法」もある。

 米国が国連決議のないまま北朝鮮に武力攻撃を行うとすれば、米国にとっては「自衛権の発動」ということだろう。自衛のための先制攻撃という理屈だ。しかし日本の場合、自衛のための武力行使は「専守防衛」で「必要最小限度」でなければならない。つまり米国と日本では、許される「自衛」の程度が違う。

 日本にとってはとても「自衛」と正当化できないような形での武力行使を米国が朝鮮半島で開始したらどうなるか。安保法制を通す際に安倍首相は「イラク戦争のような戦争に参加することは決してない」と言いきった。いま本当にそう言い切れるか。

 安保法制の中には「日米安保条約の目的の達成に寄与する活動を行うアメリカ合衆国の軍隊」という言い方がある。しかし米軍の活動が必ず日米安保条約の目的の達成に寄与するといえるか。朝鮮半島に対する日本の安全保障上の利害と米国の利害は異なる面があると考えるべきでないか。

 米国の中には「北朝鮮の核ミサイル能力が米本土に届くようになるのを未然に防ぐには、いま先制的な軍事行動をとるべきだ」という主張がある。これは米本土の安全のためには東アジアが戦場になってもやむを得ないという主張だ。つまり米国と日韓の間では、利害の不一致があることを認識すべきである

 軍事行動を開始する場合は事前協議をと日本政府が米政府に求めたとの報道が出て、菅官房長官はこれを否定した。だが日本は安保条約に基づく事前協議を米国に明確に求めるべきだ。米国が勝手に戦争を始める(=アジアを戦場にする)のを防ぐためにである。「日米韓の連携」は、そのためにこそ重要だ。

※5月3日に任務終了と報道。

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「戦争は意外と簡単に起きてしまうかもしれないから(朝鮮半島情勢について考えること)」について
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