「シンガポール戦犯裁判ウェブポータル」の立ち上げシンポジウムに参加しました

画像
 先月船に乗ってピースボート「地球大学」や「おりづるプロジェクト」をスタートさせた様子については、お伝えしたいと思いつつなかなかできずに日が経っています。今日のところは、船を途中下船したシンガポールにて、8月29日にシンガポール国立大学(NUS)法学部で「シンガポール戦犯裁判ウェブポータル」立ち上げシンポジウムにパネリストとして参加したことについてご報告します。
 シンガポール戦犯裁判とは、第二次大戦後、旧日本軍のいわゆるBC級戦犯が世界各地の軍事法廷で裁かれたものの一つで、イギリスによって1946年から48年にかけて137の裁判が行われ被告490人が裁かれたというものです。シンガポールの若い法律家やウェブ技術者らが数年前にプロジェクトを立ち上げ、これらの裁判資料を読み込んで、それをウェブ・ポータルとしてみられるようにしました。その立ち上げが8月29日のNUSでのイベントで行われたのでした。
 私はピースボートの活動を通じて、このプロジェクトを進めてきた方々と知り合い、このたびの立ち上げシンポジウムで発言してくれと招待されました。私はこうした戦犯裁判など歴史的なことについて専門的な知識はまったく持ち合わせていません。しかし、ピースボートが「過去の戦争に学び未来の平和を作る」という理念で活動をしているので、そのような活動紹介でもよければと申し上げたところ、是非にということでしたのでお引き受けしました。
画像
 このウェブ・ポータルについては、そのものを観てほしいのですが(こちらです)、私はいろいろな意味で大変に感銘を受けました。
 一つは、こうした史実の掘り起こしを、20~30代の若い世代が熱心に取り組んでいること。皆さん、本業の仕事や勉強はそれぞれありながら、それ以外に時間を作ってこのプロジェクトをやってきたようです。
 そして、パネル討論のときに集まっていた50名程度のシンガポール人の学生らが、とにかく熱心に発言し、自分のおじいさんやおばあさんが体験されたことを引き合いに出しつつ語るのです。
 史実をきちんと掘り起こして、一件ずつの戦犯行為、虐殺行為をみていくと、それが誰によってどのように行われたかが分かる。それをきちんとみていこうという姿勢です。残虐さの程度とか、犯罪行為を犯した中にも実は良心を感じさせる行動もあったとか、そのようなことがウェブ・ポータルと語り継がれている記憶が重なるかのように浮き上がってくる。そんなパネル討論でした。
 基調講演をなさったウォルター・ウン教授のお話には、とくに感銘を受けました。戦争の歴史をめぐる神話の形成が次の戦争の準備につながる危険性がある、一つ一つの史実をきちんとみていく必要がある、といったようなメッセージを私は受け止めました。
 8月29日のパネルディスカッションのプログラムはこちらからご覧になれます。
画像

この記事へのコメント

khabara@mtd.biglobe.ne.jp
2018年06月16日 00:25
教えて下さい。牟田口廉也はインパール作戦で、シンガポールの裁判を受けましたが、帰国して死亡しました。ただ、その判決、無罪?なのか釈放に事情がはっきりしていません。ご教示下されば幸いです。

この記事へのトラックバック